智山伝法院は昭和62年に設立された。
当初からの目的は次の二点に集約される。
@真言密教の思想にもとづいて現代社会の諸問題を受けとめ、教学の現代における展開をはかる。
A宗団の子弟教育を継続的に充実させるために教育と研究を担う研究者を養成する。
このような目標を掲げる智山伝法院では、宮坂宥勝初代院長(前智積院化主・智山派管長)の提言で「真言密教の現代化」をテーマとして研究活動を開始し、その成果を発表する紀要の名称を『現代密教』とした。 また、上記の目標を実現すべく『智山伝法院選書』をはじめ、多くの出版物も発刊し続けている。
宮坂初代院長退任後、福田亮成先生、吉田宏晢先生、そして佐藤隆賢先生と真言密教研究の碩学によって智山伝法院は運営されてきた。 その間には、研究機関としての存続が危ぶまれる危機もあったが、智山派の諸大徳の熱意によって今日まで智山派の学問の中枢としての役割を保ち続けてきた。
これからはさらに積極的に研究と教育の理想を明確に掲げて、しかもその理想を実現する具体的な方策を模索することが必要であろう。 そのためには、学問が未だ熟さない私がこの研究機関に最適であるとは思えないが、発足当初から本院にかかわってきた経験を活かし、多くの諸賢のご指導を仰ぎながら充実した研究ができる環境を整えてゆくことにしたい。
宗内外の諸賢のご指導を仰ぎつつ、真言密教の理想を高く掲げる学問の場を生み出すことに邁進しようと思っている。
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