2017年 7月:竜巻注意情報について~突風・竜巻から身を守る~

 こんにちは、災害対策室です。じっとりと暑い季節になってきましたね。

 今回は竜巻についてです。

 竜巻は、発達した積乱雲に伴う強い上昇気流によって発生する渦巻き状の激しい突風です。竜巻の直径は数十メートルから数百メートルで、非常に速いスピードで数キロメートルに渡って移動します。そのため、短時間に狭い範囲に集中して甚大な被害をもたらすことがあります。竜巻といえばアメリカなど外国で発生しているイメージがありますが、近年では日本でも、竜巻によって住宅などに甚大な被害が度々発生しており、特に積乱雲が発達しやすい夏から秋にかけて発生が多くなっています。また、「ダウンバースト」や「ガスフロント」と呼ばれる突風も発生しやすくなります。

 気象庁では、竜巻やダウンバーストなどによる激しい突風が予測されるときに、注意を呼びかけるため、平成20年3月から「竜巻注意情報」を発表しています。竜巻注意情報は、雷注意報を補足する情報として、各地の気象台などから担当地域(都道府県単位)を対象に発表され、防災機関や報道機関へ伝えるとともに、気象庁ホームページでお知らせしています

 竜巻に関する気象情報は下記のような段階で発令されます。

  (1)半日から1日前

竜巻などの激しい突風が予想される場合には、気象情報を発表して「竜巻など激しい突風のおそれ」という表現で注意を呼びかけ

 (2)数時間前

雷注意報の中で「竜巻」と明記して注意を呼びかけ

 (3)0~1時間前

今まさに竜巻やダウンバーストなどの激しい突風が発生しやすい状態となったときに「竜巻注意情報」を発表

 

 竜巻注意情報が発表されたら、まず空の様子を確認しましょう。発達した積乱雲が近づいているときの兆候として
 
・真っ黒い雲が近づき、周囲が急に暗くなる。
 ・雷鳴が聞こえたり、雷が見えたりする。
 
・ひやっとした冷たい風が吹き出す。
 
・大粒の雨やひょうが降り出す。

などが起こります。周りの天気が上記のように変わってきている場合には、頑丈な建物に避難するなどの安全確保が必要となります。

 竜巻の危険なところは、巻き上げられた看板や瓦などが飛んでくることです。猛スピードで吹き飛ばされた飛散物にぶつかると、重軽傷を負ったり最悪の場合は命を失います。早めに頑丈な建物の中に避難をして、窓ガラスからできるだけ離れてください。建物といっても物置や車庫、プレハブの中は危険です。また、一般の住宅では雨戸、窓やカーテンを閉め、窓のない部屋に移動したり、丈夫な机やテーブルの下に入ったりして身を守りましょう。もし屋外にいて周辺に避難できそうな建物がない場合には、水路などくぼんだところに身を伏せて両腕で頭や首を守ってください。

 「竜巻注意情報」は、20回発表して1回適中する程度であり、決して予測精度は高くありません。また、現在の観測・予測技術では、竜巻や突風の発生を事前に予測できない場合もあります。しかし何も対策をせず竜巻に遭遇すると、命に危険が及びます。空の様子に注意して、いざというときには身の安全を確保しましょう

 気象庁のHPに竜巻対策についての詳しい情報や、防災リーフレットなどが掲載されていますので、そちらも参考にしてください。またスマートフォンのアプリで竜巻注意情報を通知するのもあるのでご検討下さい。